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2010年10月のARCHIVES

至福の線画

ひと言でイラストレーションといっても、作風や方法は千差万別です。CGを駆使したものから、油絵で仕上げたものまで実に幅が広い。でも、究極のイラストレーションは、一本のペンと一枚の紙だけで描けるのかもしれないとも思います。
例えば、Paul Steinbergの「ALL IN LINE」。これは、白い紙の上に黒いラインを走らせただけのイラストレーションが詰まった一冊です。その中に人間の滑稽さや愚かさ、人生の楽しさがたっぷりと盛り込まれています。当時の時代背景の影響からか、戦争をテーマに描いたイラストもたくさんあります。
小説家がペンと紙だけで、見た事のない世界を想像するように、イラストレーターの力量も一本のペン先から紡ぎだされるラインでこそ試されるのかもしれません。
それはもちろん簡単ではありません。一本の線だからこそ、無限の選択肢から正しいラインを選ばなければならない。これは、恐ろしく大変なことです。しかも、そのラインで人の感情や行動を豊かに表現しなければなりませんし、作品として発表することになれば、人に見せられるだけのアイデアや独自性、魅力が必要になってくるのです!
ペンと紙だけでこんなに自由で豊かな世界を描けることができる。そんな大切な事を改めて感じさせてくれた大切な作品となりました。

by takahisahashimo | 2010-10-19 20:23 | Art | Comments(0)

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