Blog

中学生のミティラー画家

2015年の夏、突然、福岡から中学生の松延希くんが訪ねてきた。ミティラー画を卒業課題にして学びたいというのだ。このレアな絵のジャンルに惹かれて、自分で歴史や画法などを調べ、描き始めるらしい。ミティラー画は、一般的には資料となるものは、ほぼ出回ってもいない。乏しい情報を頼りに、ミティラー画に執着して描いている僕のところにたどりついた。(柳宗理の弟にあたる柳宗玄が、インド民藝紀行の中に記したり、新潟十日町のミティラー美術館はあるが、それについては後日ふれたいと思う)それから、彼とミティラー画を通じ、東京と福岡とインドという不思議なトライアングル交流がはじまった。
希くんに会ってから、随分と経ったある日、メールでラフスケッチが送られてきた。「テーマは、とんこつラーメンとその職人になりました。」。親のアドレスから一文のそっけないメールがくる。見ると、テーマといいスケッチといい、博多っ子らしい提案じゃないか。お母さんに聞いたところ、とんこつラーメンが、好物らしい。
もともと、ミティラー画も冠婚葬祭や身の回りの生活を描くことから始まっている。このアイデアについては、何も助言していないので、彼のセンスで、生活の一部なのだろう。
それから、また半年くらいたった頃。「絵が完成しました。」とそっけないメールと添付された画像が来た。
ラーメンの湯切りをするラーメン職人と豚たちがラーメン鉢を囲んでいる。オリジナリティー溢れる「とんこつラーメン」が描かれていた。そして、想定していた以上に、ミティラー画の出来がいいのだ。
ミティラー画を描き始めた頃には、世代を超えてこのような縁を用意してくれるとは夢にも思わなかった。希くんには、このミティラー画を通じて何か感じてくれたら嬉しい。描くことを少しでも続けてみてほしいと心から思う。

matsunobu-1.JPG
Nozomu3.jpg

by takahisahashimo | 2017-03-03 18:50 | Art | Comments(0)

▲ページの先頭へ戻る